給水装置工事主任技術者──それは、水道業界における信頼と責任の証。
毎年多くの現場経験者が挑戦するものの、合格率は30〜45%。つまり半分近くは落ちるという現実。決して“簡単な資格”ではありません。
それでも、正しい方法で臨めば、働きながらでも1週間で合格は夢ではない。この記事では、2025年度試験の最新情報に加えて、筆者の実体験に基づく攻略法をお届けします。
目次
1. この記事を書いている人
所持資格 | 特記事項 |
---|---|
給水装置工事主任技術者 | 一発合格(働きながら1週間) |
1級土木施工管理技士 | 一発合格 |
1級造園施工管理技士 | 一発合格 |
測量士補 etc | 一発合格 |
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2. 給水装置工事主任技術者の取得メリットと活用シーン
- 指定給水装置工事事業者に登録するための必須資格
- 管工事で1年以上の実務経験があれば、建設業法上の「専任技術者」や「主任技術者」になれる
- 収入面や社内評価の向上に直結する、業界内での重要資格
3. 試験日程
イベント | 日程 |
---|---|
書類作成システム稼働 | 2025年6月上旬(予定) |
受験申込開始 | 2025年6月上旬(予定) |
申込締切(当日消印有効) | 2025年7月上旬(予定) |
受験票発送 | 2025年10月上旬(予定) |
試験日 | 2025年10月下旬予定 |
合格発表 | 2025年11月下旬(予定) |
4. 給水装置工事主任技術者の受験資格とは?
✅ 給水装置工事に関する3年以上の実務経験(見習い含む)が必要です。
【該当する業務例】
- 給水装置工事の計画・監督
- 給水管の配管や器具設置
- 施工や工程の管理・指揮 など
⚠️ 単なる資材運搬や一般事務は対象外です。
5. 試験概要と免除制度
項目 | 内容 |
---|---|
試験地 | 全国7地区(北海道・東北・関東・中部・関西・中国四国・九州沖縄) |
受験料 | 21,300円(非課税) |
試験科目 | 全8科目(※1級・2級管工事施工管理技術検定合格者は、「給水装置の概要」「給水装置施工管理法」が免除されます) |
6. 合格基準と足切り条件
公衆衛生概論は特に注意!
実際の試験では、問題1〜3が公衆衛生概論です。たった3問しかないため、ここで全滅=その時点で不合格確定となります。出題数が少ない科目ほど足切りリスクが高いので、公衆衛生概論は最優先で対策しておくべきポイントです。
給水装置計画論の計算問題はどうする?
給水装置計画論では、6問中およそ3問が計算問題です。足切り基準は「2問以上の正解」なので、理論上は計算問題を全て捨ててもクリア可能です。
ただし、計算問題にはある程度パターンが決まっており、自分が解ける型だけを対策すれば、得点源にもなりえます。
計算問題の勉強は、試験直前・最後の仕上げでOK。深追いは禁物。
知識問題で確実に2点以上取れるようにしつつ、自信のある計算問題だけ拾うスタイルが、時間対効果の高い勉強法です。
配点と条件
- 全60点満点(1問1点)
- 必須6科目(40問)
- 給水装置の概要・施工管理法(20問)
※1級・2級管工事施工管理技術検定合格者は、「給水装置の概要」「給水装置施工管理法」が免除されます。
一般受験者(非免除者)の合格基準
- 必須6科目合計:27点以上
- 総得点:40点以上
- 各科目ごとの足切り点を下回ると不合格:
- 公衆衛生概論:1点以上
- 水道行政:2点以上
- 給水装置工事法:4点以上
- 給水装置の構造及び性能:4点以上
- 給水装置計画論:2点以上
- 給水装置工事事務論:2点以上
- 給水装置の概要:5点以上
- 給水装置施工管理法:3点以上
⚠️ 「足切りで落ちた」は毎年ある話。総得点が届いていても安心できません。
7. 合格率と難易度の現実
以下に、令和元年度〜令和6年度の給水装置工事主任技術者試験の統計データを表にまとめました
年度 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
令和元年度 | 15,277 | 13,001 | 5,960 | 45.8% |
令和2年度 | 13,418 | 11,238 | 4,889 | 43.5% |
令和3年度 | 14,064 | 11,829 | 4,209 | 35.6% |
令和4年度 | 14,052 | 12,058 | 3,742 | 31.0% |
令和5年度 | 14,482 | 12,616 | 4,351 | 34.5% |
令和6年度 | 14,550 | 12,629 | 4,407 | 34.9% |
🟡 安定して約3〜4割の合格率。思っているより手強い。
この試験の受験者は、給水装置工事に3年以上関わった“経験者”たち。つまり、初心者ではない。
それにも関わらず合格率が30〜45%というのは、経験者でも簡単には受からない、手ごわい試験であることの証明です。
8. 勉強時間と学習スケジュール例
一般的には「50〜60時間の学習が必要」と言われます。
私は、実務経験3年で受験し、
✅ 働きながら1週間の勉強で合格しました。
9. 合格するための勉強法・対策
私の勉強法は以下の通り
- まずは市販の「頻出問題集」をひたすら解く。
- 公衆衛生概論と給水装置計画論(計算問題以外)は完璧を目指す。
- 計算問題の問題パターンを分析し、自分が解けそうなパターンのみ勉強。深追いしない。
- 年度別過去問を最新から3年分だけ解く。間違えた問題は復習。
- 繰り返しますが、計算問題は深追いしない。
よく言われる過去問を5年分×3周というのは、時間的にも非現実的。
むしろ問題集で出題パターンに慣れ、最後に形式確認として過去問を使う程度で十分だと感じました。
なお、年度別過去問は、公式HPで過去5年分の問題と解答が閲覧できます!
過去5年間の試験問題→公益財団法人 給水工事技術振興財団
公式の解説はありませんが、問題集を一冊終わらせた後であれば特に問題はないかと思います。
こちらは解説付き年度別問題集です。(Amazonへ飛びます)
私が使用したおすすめ問題集はこちら!
私が実際に使用した問題集の2025年度版はこちらです!
内容はシンプルで、合格に必要な知識が詰まっています!
10. 給水装置工事主任技術者試験のまとめと今後の準備
給水装置工事主任技術者は、取得すれば業界内での信頼性やキャリアアップに直結する、非常に重要な国家資格です。
ただし、受験資格は実務経験3年以上の技術者に限定されていて、合格率は30〜45%前後と、決して易しい試験ではありません。
一方で、出題傾向がはっきりしており、対策のポイントを絞れば働きながらでも短期合格は可能です。
✅ 合格には「頻出問題集の反復」「計算・暗記科目の見極め」「過去問の活用タイミング」がカギ。
時間がない方でも、正しい手順とやる気さえあれば十分に合格が狙える資格です。
📍 公式情報・出願はこちら:
給水工事技術振興財団 試験詳細