
土木工事でよく耳にする「ジオテキスタイル」って一体何者?
実は、道路や擁壁、斜面などで私たちの生活を支える、縁の下の力持ち的存在なんです。
この記事では、土木施工管理技士試験の受験者や建設業界で働く方を対象に、ジオテキスタイルの基本から種類、用途、施工事例までをわかりやすく解説します。
ジオテキスタイルの基礎知識を深めて、実務や試験対策に役立てましょう!
✅この記事を書いている人
資格名 | 特記事項 |
---|---|
1級土木施工管理技士 | 一発合格(2級も一発合格) |
1級造園施工管理技士 | 一発合格(2級も一発合格) |
建設業経理士2級 | 一発合格 |
測量士補 | 一発合格 |
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ジオテキスタイルってどんなもの?

ジオテキスタイルとは、土木工事で地盤を安定させるために使われる、合成繊維製のシート状の材料です。
主な役割は、補強・分離・排水・ろ過・保護の5つ。
道路、擁壁、斜面、河川、トンネルなど、あらゆる土木構造物で活躍しています。
国土交通省の基準でも、「補強土壁工法」や「軟弱地盤対策」などにジオテキスタイルの使用が推奨されています。
ジオテキスタイルの5つの役割

ジオテキスタイルは、1枚のシートで様々な役割を担います。
代表的な5つの役割を解説しましょう。
① 補強
ジオテキスタイルを土の中に敷設することで、土の強度を高め、変形や崩壊を防ぎます。
擁壁や斜面の安定化、地盤の沈下防止などに効果を発揮します。
② 分離
異なる土質が混ざるのを防ぎ、それぞれの層の機能を維持します。
例えば、道路工事では、ジオテキスタイルを挟むことで、路盤材と路床土の混合を防ぎ、路盤の強度を保ちます。
③ 排水
ジオテキスタイルは水を通す性質があるため、地下水を効率的に排水することができます。
擁壁や法面の背面に設置することで、土中の水分を排出し、安定性を高めます。
④ ろ過
水は通すが、土砂や細かい粒子は通さない性質を利用して、土壌の流出や侵食を防ぎます。
河川や海岸の護岸工事、ダムなどに利用されます。
⑤ 保護
ジオテキスタイルは、土壌の侵食や風化から構造物を保護する役割も果たします。
河川や海岸の護岸、法面などに使用することで、耐久性を向上させます。
ジオテキスタイルの種類

ジオテキスタイルは、大きく分けて織布と不織布の2種類があります。
1. 織布(ウーブン)
合成繊維を織り込んだシート状の材料。
引張強度が高く、耐久性に優れる。
補強土壁工法や軟弱地盤の補強などに使用されます。
2. 不織布(ノンウーブン)
繊維を熱や接着剤で結合させたシート状の材料。
柔軟性が高く、透水性に優れる。
排水材、ろ過材、分離材として使用されます。
ジオテキスタイルの施工事例:補強土壁工法

ジオテキスタイルは、様々な工法で利用されていますが、特に代表的なのが補強土壁工法です。
補強土壁工法とは?
ジオテキスタイルと土を交互に積み重ねていくことで、コンクリートや鉄筋を使わずに擁壁を構築する工法です。
補強土壁工法のメリット
- 経済性: コンクリート擁壁に比べて、工期が短縮でき、コスト削減が可能。
- 安全性: 地震時の変形が小さく、耐震性に優れる。
- 環境への配慮: コンクリートの使用量を削減できるため、環境負荷が低い。
- 景観への配慮: 自然な外観に仕上げることができ、周辺環境との調和を図りやすい。
補強土壁工法の施工手順
- 地盤を整地し、ジオテキスタイルを敷設する。
- ジオテキスタイルの上に土を盛り、転圧する。
- 土とジオテキスタイルを交互に積層していく。
- 壁面材を設置し、仕上げる。
まとめ

ジオテキスタイルは、土木工事で地盤を安定させるために使われる合成繊維製のシート。
補強、分離、排水、ろ過、保護など、様々な役割を担う。
織布と不織布の2種類があり、それぞれ特性や用途が異なる。
補強土壁工法など、様々な工法で利用されている。
ジオテキスタイルは、土木構造物の安全性、耐久性、経済性を向上させる、重要な土木資材です。
土木施工管理技士試験の対策や実務に役立ててください。
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参考資料
- 国土交通省:ジオテキスタイルを用いた補強土壁の設計・施工マニュアル