試験に頻出の「工程表の種類」を攻略しよう!

土木施工管理技士試験では、各種工程表の種類や特徴について問われることが多く、施工管理の基礎知識としても重要です。
「どの工程表がどの工事に適しているのか?」「それぞれの特徴とメリット・デメリットは?」を理解することで、試験対策だけでなく実務にも役立ちます。
この記事では、工程表の種類と特徴を分かりやすく解説し、比較表を交えて整理します。試験対策として、しっかり学んでいきましょう!
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✅ この記事を書いている人
所持資格 | 特記事項 |
---|---|
1級土木施工管理技士 | 一発合格(2級受験時も一発合格) |
1級造園施工管理技士 | 一発合格(2級受験時も一発合格) |
建設業経理士2級 | 一発合格 |
測量士補 etc | 一発合格 |
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🔹工程表の種類と特徴
① ガントチャート工程表(横線式)
- 縦軸に工種や作業名、横軸に作業の達成度(%)を示す。
- 作業の進捗を視覚的に把握しやすい。
- 短期・単純工事向きだが、工期に影響を与える作業が不明瞭。
② バーチャート工程表(横線式)
- 各作業の予定と実績を並行して表現。
- ガントチャートより作業の関連性を把握しやすいが、影響の大きい作業は判別しにくい。
- 短期工事や比較的シンプルな工事向け。
③ 斜線式工程表
- 縦軸に工期、横軸に作業の延長を取り、作業の進行方向を斜線で表す。
- 道路・トンネル・地下鉄工事など、線的な工事に適している。
- 作業速度が分かりやすいが、作業の関連性は不明瞭。
④ ネットワーク式工程表
- 各作業の開始点(イベント)と終了点(イベント)を矢線で結び、作業日数を記入。
- 作業のクリティカルパス(最長所要時間の経路)を把握できる。
- 長期・大規模工事向けで、工程管理の精度が高い。
⑤ 累計出来高曲線工程表(S字カーブ)
- 縦軸に工事全体の累計出来高(%)、横軸に工期(%)をとり、曲線で表現。
- 一般的にS字形を描くのが理想的。
- 進捗管理に適し、工程全体の進捗傾向を把握しやすい。
⑥ 工程管理曲線工程表(バナナ曲線)
- バーチャート工程表と組み合わせ、許容範囲を示す工程表。
- 上限と下限の許容曲線を示し、逸脱すると工程のムダや突貫工事のリスクがある。
- より精度の高い進捗管理が可能。
🔹各工程表の比較表
各工程表の大まかな違いについて、以下の表にまとめました。
項目 | ガントチャート | バーチャート | 曲線・斜線式 | ネットワーク式 |
---|---|---|---|---|
作業の手順 | 不明瞭 | 漠然 | 不明瞭 | 判明 |
作業に必要な日数 | 不明瞭 | 判明 | 不明瞭 | 判明 |
作業進行の度合い | 判明 | 漠然 | 判明 | 判明 |
工期に影響する作業 | 不明瞭 | 不明瞭 | 不明瞭 | 判明 |
図表の作成 | 簡単 | 簡単 | やや難しい | 難しい |
適する工事 | 短期・単純な工事 | 短期・単純な工事 | 短期・単純な工事 | 長期・大規模な工事 |
🔹各工程表の違い
ガントチャートとバーチャートの違いと特徴
ガントチャート工程表とバーチャート工程表は何となく似ていますが、どのような違いがあるのでしょうか。
簡単に表にまとめてみました。
項目 | ガントチャート | バーチャート |
---|---|---|
作業の進捗度 | 視覚的に分かりやすい | 視覚的に分かりやすい |
作業の順序 | 明確ではない | ある程度明確 |
作業の関連性(前後関係) | 不明 | ある程度明確 |
クリティカルパスの把握 | 困難 | ほぼ困難 |
適用範囲 | 短期の単純工事向け | 短期の比較的単純な工事向け |
- バーチャートはガントチャートの発展形であり、作業の順序や関係性が多少分かるようになっています。
- しかし、クリティカルパスの特定ができないため、工期管理の精度には限界があります。
- 厳密な工程管理が必要ならネットワーク式工程表の方が適しています。
S字カーブとバナナ曲線の違いと特徴
累計出来高曲線工程表(S字カーブ)と、工程管理曲線工程表(バナナ曲線)はどちらも曲線式工程表ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
👉「工程管理曲線工程表(バナナ曲線)」は、バーチャート工程表と累計出来高曲線工程表(S字カーブ)を組み合わせたもの です。
バナナ曲線の特徴
- バーチャートの要素
- 工程ごとの進捗管理を可視化
- 作業の順序や関係性がある程度分かる
- S字カーブの要素
- 累計出来高を曲線で示し、全体の進捗を把握
- 工程の進捗が計画より早いか遅いかを一目で判断可能
- バナナ曲線の独自要素
- 許容範囲(上方許容限界線・下方許容限界線)を設定し、管理基準を明確化
- 計画との差異を把握しやすく、工程の遅れやムダを視覚的に分析可能
バナナ曲線とS字カーブの比較表
項目 | S字カーブ工程表 | バナナ曲線工程表 |
---|---|---|
目的 | 工事全体の進捗を管理する | 計画との差異を明確に管理する |
軸の構成 | 縦軸:累計出来高(%) / 横軸:工期(%) | 縦軸:出来高(%) / 横軸:工期(%) + 許容範囲 |
進捗の把握 | 進捗が早い・遅いかを視覚的に把握可能 | 計画との差異が即座に分かる |
工程のズレの管理 | 計画との差異は把握できるが、詳細な原因分析は困難 | 許容範囲を設定し、ズレを早期発見・修正できる |
適用範囲 | 長期工事の進捗管理に適用 | 短期〜中期の進捗管理に適用 |
作成の難易度 | 比較的容易 | やや複雑 |
斜線式工程表と曲線式工程表の違い
項目 | 斜線式工程表 | 曲線式工程表 |
---|---|---|
目的 | 進捗速度を管理し、作業の流れを示す | 工事全体の出来高や進捗を把握する |
軸の構成 | 縦軸:工期 / 横軸:延長 | 縦軸:累計出来高(%) / 横軸:工期(%) |
進捗の把握 | 作業の進行速度を視覚的に確認できる | 進捗の遅れや早まりを全体として把握できる |
作業間の関連性 | 不明確(各作業のつながりが分かりにくい) | 不明確(個々の作業詳細は示されない) |
適用範囲 | 道路・トンネル・地下鉄などの線的な工事 | 工事全体の進捗管理向け(長期プロジェクト) |
作成の難易度 | 比較的簡単 | 比較的簡単 |
違いのポイント
- 斜線式工程表は「作業の速度」に重点を置いており、特に道路やトンネルのような線的な工事に適用される。
- 曲線式工程表(S字カーブなど)は「出来高の累計」に重点を置き、全体の進捗を管理するために使用される。
- どちらも作業の関連性を示すには不向きであり、作業間のつながりを重視する場合はネットワーク式工程表が適している。
ネットワーク式工程表について
ネットワーク式工程表は、工事の作業順序・関連性を明確に示すことができます。
クリティカルパス(工期に影響を与える作業経路)を特定できるため、工期短縮や遅延管理に優れています。
ネットワーク式工程表の特徴
項目 | 内容 |
---|---|
目的 | 作業の順序や関係性を明確にし、工期の管理を効率化する |
進捗の把握 | 作業の流れや依存関係を明確にできる |
クリティカルパスの特定 | 最長所要時間の経路を特定し、遅延の影響を分析できる |
適用範囲 | 大規模工事、複雑なプロジェクト管理、工期の厳密な管理が必要な工事 |
作成の難易度 | 難しい(専門的な知識が必要) |
ネットワーク式工程表のメリット・デメリット
メリット | デメリット |
---|---|
作業の順序や関連性が明確 | 作成が複雑で、専門知識が必要 |
クリティカルパスを把握できる | 小規模工事では必要性が低い |
工程遅延の影響を分析しやすい | 計画変更が多い場合、修正が手間 |
最適な作業スケジュールを組める | 作成に時間がかかる |
🔹令和6年度 2級土木施工管理技士 第二次検定過去問

問題. 建設工事において用いる、下記の工程表について、その特徴をそれぞれ1つずつ記述しなさい。
- 横線式工程表
- ネットワーク式工程表
解答例と解説
横線式工程表とは、ガントチャート工程表とバーチャート工程表の事です。
ガントチャートでもバーチャートでも、どちらについて解答してもOKです。
ネットワーク工程表は、他の工程表と違って、工期に影響する作業の特定が可能です。
解答例
横線式工程表
作業の進捗度は分かるが、工期に影響する作業は不明である。
ネットワーク式工程表
工期に影響する作業を特定できるが、工程表の作成は複雑である。
🔹各種工程表の目的・特徴のまとめ
それぞれの役割
工程表 | 目的 | 特徴 |
---|---|---|
ガントチャート | 作業のスケジュールを管理 | 進捗を視覚化しやすいが、作業間の関連が不明 |
バーチャート | 作業順序を把握しやすくする | ガントチャートより前後関係が分かるが、詳細な分析は不可 |
S字カーブ | 累計出来高の管理 | 進捗の早い・遅いを判断しやすいが、作業詳細は不明 |
バナナ曲線 | 許容範囲内の工程管理 | 計画との差異を明確に管理できる |
斜線式工程表 | 進捗速度を示す | 線的工事(道路・トンネル)向け、作業間の関連は不明 |
ネットワーク式工程表 | 作業の関連性とクリティカルパスの把握 | 工程の遅れがどこに影響するか明確 |
各種工程表で分かることまとめ
項目 | ガントチャート | バーチャート | 曲線・斜線式 | ネットワーク式 |
---|---|---|---|---|
作業の手順 | 不明瞭 | 漠然 | 不明瞭 | 判明 |
作業に必要な日数 | 不明瞭 | 判明 | 不明瞭 | 判明 |
作業進行の度合い | 判明 | 漠然 | 判明 | 判明 |
工期に影響する作業 | 不明瞭 | 不明瞭 | 不明瞭 | 判明 |
✅ 各工程表の特徴を理解し、適用範囲を把握することが重要!
✅ 試験では「横線式工程表」や「ネットワーク式工程表」の特徴についての問題が頻出!
✅ 実務でも、適切な工程表を選ぶことで施工管理の効率化が可能!
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