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【2級土木施工管理技士】スランプと空気量の許容誤差とは?覚える数値と過去問解説!

この記事では、「2級土木施工管理技士」試験によく出るスランプや空気量の許容誤差、コンクリートの圧縮強度のJIS判定基準について詳しく解説します。

特に、「スランプや空気量の許容範囲ってどう覚えればいいの?」「JIS基準の数字ってどこまで必要?」と悩んでいる方に向けて、 過去問ベースでそのまま本番に出るポイントを整理しています。

スランプ・空気量・強度の違いや基準値をしっかり押さえて、試験対策に活かしましょう。

ちなみに「スランプ」とは、フレッシュコンクリート(生コン)のやわらかさ(施工しやすさ)を数値化したものです。値が大きいほど軟らかく、小さいほど硬いと考えればOKです。

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🔍この記事でわかること

  • スランプと空気量、それぞれのJISにおける許容誤差の基準値
  • スランプの範囲別に異なる誤差と、空気量の固定誤差の違い
  • 圧縮強度の判定における平均値・最低値の見方と計算方法
  • 実際の過去問を通じた、JIS基準の適用例と考え方

✅この記事を書いている人

所持資格特記事項
1級土木施工管理技士一発合格
1級造園施工管理技士一発合格
建設業経理士2級一発合格
測量士補 etc一発合格

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① スランプとは?施工性との関係とJIS基準の基本問題

◆ スランプの性質と施工性に関する問題

【問題】

コンクリートのスランプに関する次の記述のうち、適切なものはどれか?

(1) スランプが小さいほど、作業性が向上する。
(2) スランプは、運搬、打込み、締固めなどの作業に適する範囲内でできるだけ小さくする。
(3) スランプは、コンクリートの強度を直接示す数値である。
(4) スランプが大きいほど、常に良質なコンクリートであると判断できる。


✅【正解】(2)

解説

  • (1) 誤り:スランプが小さいほどコンクリート(生コン)は硬くなり、施工が難しくなるため、作業性はむしろ悪くなる。
  • (2) 正しい:スランプは施工性(ワーカビリティー)確保のための指標。ただし、大きすぎると品質低下につながるため、「必要最小限」が基本。
  • (3) 誤り:スランプは施工性(ワーカビリティー)の指標であり、強度の指標ではない。
  • (4) 誤り:スランプが大きいと施工しやすくはなるが、材料分離が起きやすくなるため、「良質」とは限らない。

② スランプ試験の基礎知識とJIS測定ルール

【問題】

コンクリートのスランプ試験に関する次の記述のうち、適切なものはどれか?

(1) スランプ試験は、高さ50cmのスランプコーンを使用して測定する。
(2) スランプは、0.5cm単位で表示する。
(3) スランプ試験では、コンクリート中央部の平板からの高さを測定する。
(4) スランプは、コンクリートのブリーディング量を示す指標の一つである。


✅【正解】(2)

解説

コンクリートのスランプ試験の図解
  • (1) 誤り:JISで定められたスランプコーンの高さは 30cm。50cmではない。
  • (2) 正しい:スランプ値は 0.5cm単位で表示する。
  • (3) 誤り:スランプ試験では、スランプコーンを引き上げたあとの、上端からの下がり幅を測定する。平板からの高さではない。
  • (4) 誤り:スランプは施工性(ワーカビリティー)を表すものであり、ブリーディング量の指標ではない。

③ 練上り時の目標スランプの問題

問題

荷下ろし時の目標スランプが8cmであり、
練り上げから現場までの運搬中にスランプが2cm低下すると予測されている。

このとき、練り上げ時点での目標スランプとして適切なのは?

(1) 6cm 
(2) 8cm 
(3) 10cm 
(4) 12cm


✅【正解】(3) 10cm

解説

スランプとは、コンクリートの軟らかさ・施工性(ワーカビリティ)を表す指標です。現場での施工がスムーズに行えるよう、適切なスランプ値を保つことが求められます。

  • 荷下ろし時の目標スランプ:8cm
  • 運搬中に予想されるスランプの低下:2cm

→ 8cm(目標)+2cm(低下分)= 10cm が適切

難しく考えず、単純に考えればOK!

✅ ワンポイント

「〇cm低下するから逆算して調整する」という問題は頻出!


④ 圧縮強度試験のJIS判定基準の過去問

問題

呼び強度21のレディーミクストコンクリートにおける、以下の圧縮強度試験結果をもとに、合格工区を選べ。

工区1回目2回目3回目平均値
A工区19202120
B工区25191620
C工区20222121
D工区23271722

✅【正解】(3) C工区

解説

判定基準(JIS A 5308)
判定項目基準値内容
3回の平均値呼び強度以上(21N/mm²)3回の平均
各1回の最小値呼び強度の85%以上(17.85N/mm²)個別のばらつきが小さいこと

→ 試験値は 18N/mm²以上 が必要

各工区の評価
工区1回目2回目3回目平均値
A工区19202120✕
B工区251916✕20✕
C工区20〇22〇21〇21〇
D工区232717✕22

※平均値は「3回の試験値の合計 ÷ 3」で求めます。 たとえば【19, 20, 21】の場合 →(19+20+21)÷3=20.0

  • A工区:平均20 → ✕
  • B工区:1回16N/mm² → ✕
  • C工区:平均21、全て18以上 → 合格
  • D工区:1回17N/mm² → ✕

⑤ 空気量・スランプ・圧縮強度の総合問題

問題

呼び強度21、スランプ12cm、空気量4.5%の指定に対して、以下の試験結果が得られた。
JIS基準に不適合なものはどれか?

(1) 圧縮強度平均:23N/mm²
(2) 圧縮強度1回の値:18N/mm²
(3) スランプ:14.0cm
(4) 空気量:7.0%


✅【正解】(4) 空気量7.0%

解説

圧縮強度の判定
  • 呼び強度:21N/mm²
  • 平均値:21N/mm²以上 → OK
  • 1回の値:21×0.85=17.85N/mm²以上 → 18N/mm²でOK

スランプの許容範囲

スランプの許容誤差は、指定されたスランプ値によって異なります(JIS A 5308より)。以下にまとめます:

指定スランプの範囲許容誤差
5cm以上 8cm未満±1.5cm
8cm以上 18cm未満±2.5cm

→ 今回は12cm → 該当するのは「8cm以上18cm未満」 → 許容範囲は 9.5〜14.5cm → 14.0cmはOK


空気量の許容範囲
  • 指定空気量:4.5%
  • 許容誤差:常に±1.5%(固定)
    → 許容範囲は 3.0〜6.0%

→ 7.0%は 上限超過 → 不合格

※空気量はスランプと異なり、誤差幅が一定です。
空気量の誤差は±1.5%で固定と覚えておいてください。


◆ 最終まとめ表

判定項目基準判定
圧縮強度平均21N/mm²以上合格 (23N)
圧縮強度1回値18N/mm²以上(85%)合格 (18N)
スランプ9.5~14.5cm合格 (14cm)
空気量3.0~6.0%不合格 (7%)

⑥ JIS基準|スランプ・空気量・圧縮強度の覚え方

● 「以上」「未満」などの用語に注意!

たとえば「8cm以上18cm未満」とあった場合:

  • 8.0cm → 含まれる(OK)
  • ❌ 18.0cm → 含まれない(NG)
用語意味
○○以上○○を含む
○○以下○○を含む
○○未満○○を含まない
○○を超える○○を含まない

✅ ポイント:「以上」「以下」はその値を含む、「未満」「超える」は含まない! → 試験ではスランプ値などでこの違いが重要な判断基準になります。

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最後に、試験対策として重要な数値と違いをまとめます:

● 重要:スランプの許容誤差

指定スランプの範囲許容誤差
5cm以上 8cm未満±1.5cm
8cm以上 18cm未満±2.5cm

→ 値に応じて変わる。スランプは「可変」誤差。
8cmを境に許容誤差が変わります。
未満以上に注意!

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● 重要:空気量の許容誤差

  • 常に ±1.5%(固定)
    → 値によらず一律の基準。空気量の許容誤差は「固定」。

● 重要:呼び強度・圧縮強度試験の基準

  • 平均:呼び強度以上
  • 1 回:呼び強度の85%以上(例:21×0.85=17.85 → 18N/mm²未満はNG)

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✅ おわりに

スランプ、空気量、圧縮強度のJIS判定基準は、毎年多くの受験者がつまずくポイントです。
でも、覚えるべき数値や考え方は、こうして整理すれば決して難しくありません。

「何から覚えればいいか分からない」
「なんとなく理解した気になっていたけど、ちゃんと説明できない」
そんな人こそ、この記事で紹介した内容を実際の過去問にあてはめて確認してみてください

きっと、“なんとなく”が“わかった”に変わるはずです。

少しずつでいいので、自分のペースで取り組んでいきましょう。
あなたの合格を、心から応援しています!

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